はじめに
みなさんは「お金」について、毎日の生活の中でよく耳にすると思います。お小遣いをもらったり、お店で買い物をしたりするときに「お金」は欠かせません。でも、「お金」や「経済」という言葉は、学校の授業ではあまり詳しく習いません。そこで、この文章では「マクロ経済」という少し難しい言葉を、小学生でも分かるように説明していきます。マクロ経済とは、国全体の経済の動きを大きな視点から考える学問です。
1)経済ってなんだろう?
「経済」という言葉は、もともと「経世済民(けいせいさいみん)」という四字熟語からきています。意味は「世の中をよく治め、人々のくらしを豊かにすること」です。つまり、経済とは「みんなが気持ちよく暮らしていくためのしくみ」のことです。
私たちは食べ物や洋服、スマホやゲームなど、いろいろなものを買ったり売ったりしています。これを「市場(しじょう)」といいます。市場には、人が働いて作ったものやサービスが集まり、お金と交換されます。
2)ミクロ経済とマクロ経済
経済には「ミクロ経済」と「マクロ経済」という2つの見方があります。
- ミクロ経済:小さな視点。たとえば「近所のパン屋さんがパンをいくらで売るか」とか「あなたが新しいゲームソフトを買うかどうか」というような、一人ひとりや一つのお店に注目する考え方です。
- マクロ経済:大きな視点。たとえば「日本全体でパンはどれくらい作られているか」「国全体でどのくらいのお金が使われているか」というように、国全体の経済の動きを見る考え方です。
この文章では「マクロ経済」を中心に考えていきます。
3)GDPと何か?
マクロ経済でとても大事な言葉に「GDP(国内総生産)」があります。GDPとは「国の中で1年間にどれくらいのものやサービスが作られたか」を表す数字です。
たとえば、日本中のみんなが作ったパン・自動車・映画・病院での診察・学校の授業など、お金を払って手に入れることができるサービスをぜんぶ足し合わせます。これがGDPです。
GDPが大きいほど、その国の経済は元気だと言えます。逆にGDPが小さくなると、景気が悪くなり、人々のくらしも大変になります。
また細かくいうと、GDPには実質GDPと名目GDPがあります。
4)景気って何?
みなさんも「景気がいい」「景気が悪い」という言葉をニュースで聞いたことがあると思います。
- 景気がいい:お店に人がたくさん来てモノが売れる。会社がもうかって給料が上がる。みんながお金を使うから、さらにモノが売れる。
- 景気が悪い:モノが売れない。会社のもうけが少なくなり、給料が下がる。みんながお金を使わなくなるから、さらにモノが売れなくなる。
景気は「お金の流れ」が速いか遅いかで変わります。元気なときは川の流れのようにお金がぐるぐる回り、元気がないときは水たまりのようにお金が止まってしまいます。
5)インフレとデフレ
マクロ経済では「物価(ものの値段)」も大事なテーマです。
- インフレ:物価が上がること。たとえば去年は100円だったジュースが、今年は120円になるようなことです。
- デフレ:物価が下がること。去年120円だったジュースが、今年は100円になるようなことです。
インフレが進みすぎると生活が苦しくなります。逆にデフレが続くとお店がもうからなくなり、仕事が減ってしまいます。だから、国は物価をちょうどよいバランスに保とうとしています。
6)政府とお金の使い方
景気をよくするために、国の政府は「財政政策(ざいせいせいさく)」を使います。これは、国がお金をどう使うかを決めることです。
- 道路や学校をつくる(公共事業)
- 災害があったときに支援金を出す
- 子育てのための給付金を配る
こうしたことによって、人々がお金を使いやすくなり、経済が元気になります。
7)お金の値段と金利
銀行にお金をあずけると、少しだけ利子がつきます。逆に、お金を借りると利息を払います。この「利子の割合」を金利と言います。
金利は経済のエンジンのような役割をしています。
- 金利が低い → お金を借りやすい → 会社や人がお金を使う → 経済が元気になる
- 金利が高い → お金を借りにくい → お金を使う人が減る → 経済は少し落ち着く
これを調整しているのが「中央銀行(日本では日本銀行)」です。そして中央銀行はもう一つ気にしているものがあります。それは雇用です。
8)世界との繋がり
マクロ経済は、日本だけでなく世界とも深くつながっています。たとえば、アメリカで景気が悪くなると、日本の商品が売れにくくなり、日本の景気も悪くなります。逆に、日本の円とアメリカのドルの交換比率(為替レート)が変わると、輸出や輸入に大きな影響があります。
9)まとめ
マクロ経済とは、国全体の経済の動きを考える学問です。GDPや景気、物価、金利、政府の政策などが大きなテーマになります。これらはすべて「みんなが安心して暮らせる社会」をつくるために欠かせないものです。
小学生のみなさんが今のうちにマクロ経済を知っておけば、大人になったときにニュースや社会の動きをもっとよく理解できるでしょう。そして、将来は自分で仕事や投資をするときに、大きな判断の助けになるはずです。


